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奥深い「青磁の美」:出光美術館
 青磁 中国陶磁器の魅力の奥深さを感じる展覧会が出光美術館の「青磁の美」展です。中国の陶磁器というと、ヨーロッパ、日本に大きな影響を与えた青花磁器や五彩に目がいっていて、青磁にはあまり注目していませんでした。この企画展では西周から明の時代までの様々な青磁を展示しています。いろいろなデザイン、文様、色の器が並び、壮観です。
 この展示で「青磁は玉をやきもので再現した」という仮説が提示されています。中国では古来から宝石として珍重された玉。これを再現することが、青磁を焼成した動機ではないかと、展示側は考えているわけです。

 青磁としてはいちばん古い時代、越州窯で焼成された「灰釉印文双耳壺」(西周〜春秋時代)は、殷の時代に誕生した灰釉(かいゆう)という技法で施釉された器。青というより薄い茶色に近い釉がかけられ、ふくよかな形をした美しい器です。原始青磁が完成された頃の作品。
 中国青磁で最高の時代ともいわれる宋時代。北方青磁といわれる燿州窯で焼かれた青磁は、特に刻花文様を施されたものが美しいです。片切彫りと呼ばれる彫り方は、彫り溝が深くシャープで、鮮やかな文様が印象的。「青磁刻花牡丹唐草文鉢」(北宋時代)は薄い茶色がかった青い釉が美しい鉢。
 デザインとして興味深かったのは『飛青磁(とびせいじ)』の技法を使った器。この技法、素地に鉄絵具を散らしてから青磁釉をかけて焼成したもの。青緑に鉄色の文様が、モダンな印象です。
 
 そしてこの展覧会の見所は「青磁鳳凰耳花生(せいじほうおうみみはないけ)」の競演です。南宋時代に多くの青磁を生んだ龍泉窯で焼成された「青磁鳳凰耳花生」は日本に伝世されている作品がいくつもあります。ここでは出光美術館所蔵の2品と、五島美術館所蔵、白鶴美術館所蔵そして大阪市立東洋陶器美術館所蔵(8/19から9/3 のみ)の作品を並べて展示するもの。私がいったときは、大阪市立東洋陶器美術館所蔵ものは残念ながらみられませんでしたが、4品が展示されていました。青磁の色、美しい曲線と直線のバランス、そして鳳凰耳の独特な形がつくりだす完成された美の世界は見事です。

 青磁の色だけみても、茶色に近いものから粉青色まで様々です。それだけ多くの青磁の色がありながら、会場に参考展示されていた朝鮮の高麗青磁とは、どの中国青磁も違った色を表現しています。不思議なほど多様な青磁の色。この展覧会のサブタイトルは『秘色の探求』ですが、まさしく青磁の奥深さを知った楽しい展覧会です。
| 東洋美術 | 00:10 | comments(14) | trackbacks(7) |
コメント
T/Bありがとうございます。
”青磁”といえど、色は様々でしたね。
このところ絵画が多かったので、
工芸品を鑑賞するのは楽しかったです。
| ゆきリン | 2006/08/24 10:59 AM |
 TB ありがとうございます。
 私もさせていただきました。

 今回の企画展は、テーマがはっきりしている上
内容も充実して、とても良い展示会でした。
| 茶丸 | 2006/08/24 1:14 PM |
ゆきリンさん
こんにちは。
青磁の色、ほんと多彩でした。中国の美術品の奥深さを認識した美術展だったと思います。
| 自由なランナー | 2006/08/25 7:49 AM |
茶丸さん
こんにちは。
おっしゃるとおり、テーマが明確で、中国青磁の魅力がよくわかる充実した展覧会でしたね。
| 自由なランナー | 2006/08/25 7:51 AM |
こんにちは。
TBありがとうございました。

青磁と一言にいっても
これだけ多彩でバリエーション豊富だとは
この展覧会に足を運んで初めて知りました。
知らないこと多すぎです。。。

追記
同じジュゲマー嬉しいです!
| Tak | 2006/08/26 8:45 AM |
TBありがとうございました。道具としての壺や水差しに文様を描き、そして、色を求めていった人間の本姓というのは何でしょうね。そんな、人間のあり方を考えておりました。
| セミ玄人 | 2006/08/26 11:04 PM |
こんにちは。
トラックバックありがとうございました。
「青磁の美」は誠静かに語りかけてくれますね。
その世界を少しでも知ることができて、しあわせに思います。
展示品、美術館同士の所蔵作品の貸し借り!?も、ちょっとおもしろいなぁ、と思いました。
| みっちょる | 2006/08/27 12:27 AM |
Takさん
こんにちは。
青磁の世界は奥深いなあ、と感じ入った展覧会でした。出光美術館、さすがに所蔵品が充実していますね。
そう、ジュゲムではじめてみました。
| 自由なランナー | 2006/08/31 7:38 AM |
>道具としての壺や水差しに文様を描き、そして、色を求めていった人間の本姓というのは何でしょうね。
そうですね、古代から人間は器に文様を描いていました。その起源が呪術的なものだったかもしれませんが、それが美へと転換していくさまが、興味深いです。
| 自由なランナー | 2006/08/31 7:43 AM |
みっちょるさん
ご来訪ありがとうございます。
青磁鳳凰耳花生の競演は、面白い取り組みでした。違う美術館の工芸品を並べてみる機会は、そんなにないと思います。
| 自由なランナー | 2006/08/31 7:51 AM |
TBありがとうございました!
私の記事は、眠さをこらえて書いたものなので、かなりあっさりしたものなのですが^^;
TBして頂き嬉しく思っています!
仕事の合間にざーっと見ただけなので、じっくり見れれば、自由なランナーさんみたいにいろいろと感じながら鑑賞できたのになぁ・・・と思っています。
今給ドロ中なので、帰宅してからTBさせていただきます♪
| エリつん | 2006/09/01 12:06 PM |
TBありがとうございました。
こちらからも、させていただきました。

青磁がこんなに奥深いものだとは、知りませんでした。
中国の陶磁器って、鷹揚でいかにも大陸的。
入り口の外側の難破船の図もおもしろかったです。
あれ、もう少し追求してほしかったですね。
| くるみん | 2006/09/01 3:32 PM |
エツりんさん
こんにちは。コメント遅れてすまません。
楽しいブログをお作りですね。アートもお好きなんですね。
またお邪魔します。
| 自由なランナー | 2006/09/06 9:09 PM |
くるみんさん
こんにちは。コメント遅れてすみません。
そうですね、難破船面白そうだったのですが、予備知識がなかったので、あっさり見てしまいました。
ブログ、またお邪魔します。
| | 2006/09/06 9:16 PM |
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